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妊娠中に矯正治療を続けるべき?中断すべき?歯科医師に相談しよう

はじめに

妊娠中
 

妊娠中に歯の矯正治療を続けても大丈夫?それとも、一旦中断した方がいいの?そんな悩みを抱えている妊婦さんは少なくないでしょう。つわりや体調の変化、そしてお腹の赤ちゃんへの影響など、気になることはたくさんあります。この記事では、妊娠中の矯正治療について、歯科医師に相談すべき理由や、治療を続ける上での注意点などを詳しく解説していきます。

目次

1.妊娠中でも矯正治療はできるのか 2.妊娠中のホルモン変化が矯正治療に与える影響 3.妊娠中の矯正治療の注意点 4.妊娠中にできない可能性のある歯科治療 5.妊娠中のレントゲン撮影について 6.出産後の矯正治療の再開 7.まとめ

1.妊娠中でも矯正治療はできるのか

妊娠中

妊娠中でも歯列矯正は可能です。しかし、妊娠中はホルモンバランスの変化などにより、身体や精神面に様々な影響が出るため、歯列矯正中におけるリスクや注意すべき点が増えます。特に、歯列矯正に対する不安感が強くなりやすい傾向があります。そのため、妊娠中の歯列矯正は、担当医と十分に相談し、個々の状況に合わせて治療計画を立てることが重要です。

2.妊娠中のホルモン変化が矯正治療に与える影響

妊娠中は、女性ホルモンのバランスが大きく変化するため、口腔内の環境も変化します。具体的には、歯肉が腫れやすくなったり、歯が動きやすくなったりするといった症状が現れることがあり、これらの変化が矯正治療に与える影響は、個人差や矯正治療の種類によって異なります。

歯肉の腫れ

妊娠中に分泌されるプロゲステロンというホルモンが歯周病菌の増殖を促すことで歯肉炎を引き起こしやすく、歯肉が腫れて出血しやすくなる状態です。歯肉が腫れているため、矯正治療中のブラケットやワイヤーが歯肉を傷つけやすくなり、痛みや出血を伴うだけでなく、歯周病の進行によっては矯正治療期間の長期化や治療計画の変更を余儀なくされることがあります。

歯の動きやすさ

妊娠中は出産に備えて骨盤の靭帯がだんだんと緩んでいきます。その影響で、歯もわずかに動きやすくなることがあります。この歯の動きやすさは矯正治療に有利に働くように思われますが、実際には歯が予測外の動きをしてしまい、治療計画通りに進まないケースも少なくありません。さらに、歯が過度に移動することで歯根が吸収されるリスクも高まるため、注意が必要です。

その他の影響

  • つわり: つわりによる嘔吐は、歯のエナメル質を溶かしてしまい、むし歯のリスクを高めます。また、歯磨きが疎かになり、口腔内環境が悪化することや、矯正装置が口の中にあるだけで気分が優れなくなる可能性もあります。
  • 薬薬の服用制限: 妊娠中は、服用できる薬の種類が限られるため、痛み止めなどの薬を服用できない場合があります。

矯正治療の種類による影響

歯列矯正には、マウスピース矯正とワイヤー矯正の2種類の治療方法があります。妊娠中でもどちらの矯正方法を選ぶことができます。
マウスピース矯正は、歯磨きがしやすく、治療を中断しにくいことから、妊娠中の矯正には適していると言えます。しかし、つわりがひどい場合は、マウスピースを装着することが難しい場合もあるため、個人差があります。
一方、ワイヤー矯正は、様々な歯並びの改善に対応できるというメリットがありますが、歯磨きが少し面倒だったり、つわりで装置が口の中に当たるのが辛いと感じる場合もあります。
どちらの矯正方法を選ぶかは、それぞれのメリット・デメリットを考慮し、担当医とよく相談することが大切です。妊娠中の体調や生活スタイルに合わせて、最適な治療方法を選びます。

3.妊娠中の矯正治療の注意点

時期

妊娠初期や後期は、つわりや体調の変化が激しく、治療に集中できない可能性があります。安定期である妊娠中期に治療を開始するのが一般的です。

治療内容
  • レントゲン撮影: 胎児への影響を考慮し、必要最小限の撮影にとどめます。
  • 薬の服用: 痛み止めなどの薬は、胎児への影響が懸念されるため、使用を避けたり、医師と相談の上、慎重に使用します。
  • 装置 : ブラケットやワイヤーが歯肉を傷つけやすくなるため、定期的な調整が必要です。
  • 治療計画: 歯の動きが予測しにくいため、柔軟な治療計画が必要です。
通院

定期的な検診を受け、歯科医師と連携しながら治療を進めましょう。

体調管理
  • 食事: カルシウムを多く含む食品を摂取し、歯の健康を維持しましょう。
  • 休息 : 十分な睡眠をとり、体調管理に努めましょう。
  • 口腔衛生: 虫歯や歯周病になりやすいため、丁寧な歯磨きが大切です。

つわりで歯磨きができない場合

つわり中は、歯磨きが辛いという方が多くいらっしゃいます。無理に歯磨きをする必要はありませんが、お口の清潔を保つことは大切です。
歯磨きが難しいと感じた時は、無理せずうがいだけでも行いましょう。
1日のうちで気分の良い時間帯を見つけて、歯磨きをするように心がけましょう。小さめのヘッドの歯ブラシや、ワンタフトブラシなど、お口に入れても違和感が少ない歯ブラシを使うのもおすすめです。ミントの味が苦手な場合は、フレーバーの違う歯磨き粉を試してみましょう。また、下を向いて磨いたり、姿勢を変えてみると楽になることがあります。歯ブラシが難しい場合は、マウスウォッシュで口をゆすぐのも良いでしょう。

4.妊娠中にできない可能性のある歯科治療

  • 大規模な外科処置: 親知らずの抜歯など、大規模な外科処置は、出血のリスクが高く、麻酔の使用量も多くなるため、妊娠中は避けることが多いです。
  • 広範囲な歯周治療: 歯周病が進行している場合の治療は痛みを伴うことが多く、麻酔の使用も必要となるため、妊娠中は慎重に判断されます。
  • レントゲン撮影: 胎児への影響を考慮し、必要最小限の撮影にとどめます。腹部を鉛のエプロンで覆うなどの対策が取られますが、妊娠初期は特に注意が必要です。次の章で詳しくご説明いたします。
  • 薬の服用: 抗生物質や痛み止めなどの薬は、胎児への影響が懸念されるため、使用を避け、医師と相談の上で慎重に使用します。

5.妊娠中のレントゲン撮影について

妊娠中は特に、レントゲン撮影について不安に思う方が多いかもしれません。結論から言うと、歯科でのレントゲン撮影は、胎児への影響はほとんどないと考えられています。
しかし、100%安全とは言い切れません。そのため、多くの歯科医院では妊娠中のレントゲン撮影は避けるか、必要最低限で行うようにしています。不安な場合は、歯科医師にその旨を伝え、相談しましょう。

なぜ安全と言えるのか?

まず、歯科用レントゲンは、口腔内という身体から離れた部位を撮影するため、お腹の赤ちゃんに直接放射線が当たることはありません。さらに、鉛のエプロンを着用することで、万が一の放射線漏れも防ぎます。また、最近の歯科用レントゲン装置は、デジタル化が進み、従来のものに比べて放射線量が大幅に減少しています。
これらのことから、歯科でのレントゲン撮影による放射線量は、自然放射線や飛行機の飛行中に浴びる放射線量に比べても非常に少ないことがわかっています。多くの研究でも、歯科用レントゲンの放射線量が胎児に悪影響を与えるという科学的な根拠は見つかっていません。

妊娠中の矯正治療とレントゲン撮影

矯正治療を開始する前に、歯や顎の骨の状態を正確に把握するために、レントゲン撮影は必要不可欠です。レントゲン撮影を行わないと、適切な診断ができず、治療がうまくいかない可能性があります。妊娠中に矯正治療を始める場合は、歯科医師とよく相談し、治療の時期や方法について検討しましょう。
妊娠中に矯正治療を開始する場合、または治療中に妊娠が発覚した場合、レントゲン撮影のタイミングは非常に重要です。

妊娠中のレントゲン撮影の注意点

6.出産後の矯正治療の再開

出産後は体の状態が戻り始めるため、一般的に産後2~3ヶ月が経過し、体調が安定してから再開することが多いです。
しかし、授乳中のホルモンの影響で歯や歯肉に変化がある場合もあります。産後、いつから矯正治療を再開できるかは、個人の体調や育児の状況によって異なるので担当医師と相談して決めることをおすすめします。

7.まとめ

妊娠中の矯正治療は、ママと赤ちゃんにとって、どちらも安全な治療方法を選ぶことが大切です。つわりや体調の変化など、妊娠中は様々なことが起こります。歯科医師に相談することで、あなたと赤ちゃんに合った治療計画を立て、安心して治療を進めることができます。歯科医師のアドバイスを参考に、健やかな妊娠期を過ごしましょう。

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