矯正後の後戻りを防ぐ方法!
リテーナーの使い方から生活習慣まで徹底解説
はじめに
矯正治療で手に入れた美しい歯並びを、長く保ちたいですよね。しかし、矯正治療後には「後戻り」という悩ましい問題がつきまといます。この記事では、矯正後の後戻りを防ぐために、リテーナーの正しい使い方から、日常生活で気をつけたいことまで、具体的な方法を徹底的に解説します。
目次
1.矯正後の後戻りとは?
矯正後の後戻りとは、歯が矯正治療前の位置に戻ろうとする現象を指します。これは、歯や顎の骨が新しい位置に完全に安定するまでの間に起こり得ます。
2.後戻りが起こる原因
矯正治療で歯を動かした状態は、自然な状態ではありません。そのため、歯は元の位置に戻ろうとする力が常に働いています。以下に後戻りの主な原因を挙げていきます。
- 歯の周りの骨が元の位置に戻ろうとする
- 舌や唇の圧力、噛み合わせの癖などが歯に影響を与える
- 歯周病などによる歯の支持組織の破壊
- リテーナーを正しく使用していない
歯の周りの骨が元の位置に戻ろうとする
矯正治療後、歯が元の位置に戻ろうとするのは、歯を支える骨や歯根膜、そして周囲の筋肉が、新しい歯の位置にまだ完全に適応していないためです。
- 骨: 歯が移動した際に、歯を支える骨が新しい形に作られ始めたばかりで、まだ十分に固まっていない状態です。
- 歯根膜: 歯と骨をつなぐ歯根膜が、歯を元の位置に戻そうとする力を持っています。
- 筋肉: 歯の位置が変わると、舌や唇など、歯を動かす筋肉のバランスが変化し、歯に力がかかりやすくなります。
これらの要因が複合的に働き、歯が元の位置に戻ろうとする力が生じ、後戻りが起こります。
舌や唇の圧力、噛み合わせの癖などが歯に影響を与える
舌や唇の圧力、噛み合わせの癖が続くと、歯に常に力がかかり、歯を支えている骨が元の位置に戻ろうとする力が強まります。また、歯根膜(歯と骨をつなぐ組織)も引っ張られ、歯が元の位置に戻りやすくなります。
舌の圧力
- 舌の位置: 舌は、歯並びに大きな影響を与える筋肉です。舌が正しい位置(上顎の天井に密着)にあることで、歯並びを安定させる働きがあります。
- 舌癖: 舌を歯に押し当てたり、唇を舐めたりする癖(舌癖)があると、歯に常に力がかかり、矯正で得られた歯並びを崩してしまうことがあります。
- 舌の大きさ: 舌が大きい場合、歯に常に圧力がかかり、歯並びが安定しにくくなることがあります。
唇の圧力
- 唇の閉じ方: 唇を強く閉じたり、唇で歯を噛んだりする癖があると、歯に力がかかり、歯並びに影響を与えます。
- 唇の筋肉のバランス: 唇の筋肉のバランスが崩れている場合、歯に不均一な力がかかり、歯並びが乱れることがあります。
噛み合わせの癖
- 片側で噛む: 片側でばかり噛む癖があると、噛み合わせが偏り、歯に負担がかかりやすくなります。
- 歯ぎしり: 寝ている間に歯ぎしりをする習慣があると、歯に強い力がかかり、歯並びが崩れる原因となります。
- 食いしばり: ストレスなどによって、無意識に歯を食いしばる癖があると、歯に大きな負担がかかり、歯並びに悪影響を与えます。
歯周病などによる歯の支持組織の破壊
歯周病が進行すると、歯を支えている組織が破壊され、矯正後の後戻りを招く可能性が高まります。
歯周病が後戻りを引き起こすメカニズム
- 歯を支える組織の破壊: 歯周病は、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の間の隙間に細菌が繁殖し、炎症を起こす病気です。この炎症が進むと、歯を支えている歯槽骨や歯周靭帯が破壊され、歯がぐらつきやすくなります。
- 歯の移動: 歯を支える組織が破壊されると、歯は本来の位置から動きやすくなります。矯正治療で移動させた歯も例外ではなく、歯周病によって再び元の位置に戻ってしまう可能性が高まります。
- リテーナーの効果が薄れる: リテーナーは、歯を新しい位置に固定するために重要な役割を果たしますが、歯周病によって歯がぐらついている状態では、リテーナーの効果が十分に発揮されません。
歯周病を予防することで、歯をしっかりと支える組織を健康に保ち、矯正治療の効果を長く維持することができます。
リテーナーを正しく使用していない
矯正治療によって移動した歯は、まだ周囲の骨や組織と完全に一体化しておらず、元の位置に戻ろうとする力が働いています。リテーナーは、この歯の動きを抑制し、新しい位置に固定するための装置です。
リテーナーについては次の章で詳しく説明していきます。
3.リテーナーとは
矯正治療で動かした歯は、新しい位置にまだ完全に定着しておらず、元の位置に戻ろうとする力が働いています。リテーナーはこの力を抑制し、歯を新しい位置に固定することで、後戻りを防ぎ、歯並びの安定化を図ります。つまり、リテーナーは矯正治療の成果を保ち、長期的に美しい歯並びを維持するための重要な役割を担っているのです。
4.リテーナーの種類と特徴
リテーナーには、マウスピース型、プレート型、ワイヤー型など、さまざまな種類があります。それぞれのタイプに特徴があり、歯科医師と相談して、ご自身のライフスタイルや歯の状態に合ったものを選ぶことが大切です。
マウスピース型
- 透明で目立ちにくく、取り外しが簡単です。スポーツをする際にも邪魔にならず、生活に馴染みやすいのが特徴です。
プレート型
- プラスチック製のプレートにワイヤーが埋め込まれたタイプです。歯の表側に装着し、より強力に歯を固定します。
ワイヤー型
- 歯の裏側に接着する固定式の装置です。目立たず、効果も高いですが、装着感が強い場合があります。
5.リテーナーの使用方法
リテーナーの種類別の使い方
リテーナーには、大きく分けて取り外し式(マウスピース型とプレート型)と固定式の2種類があります。それぞれの使い方に少し違いがあります。
取り外し式
- 装着時間: 一般的に、最初は一日中(食事時や歯磨き時を除く)装着することが推奨されます。
従来は、矯正治療と同じ期間リテーナーを装着すれば十分だと考えられていましたが、近年では、生活習慣や癖といった要因により、たとえ矯正期間と同じだけリテーナーを装着していたとしても、後戻りが起こることが明らかになってきました。そのため、より確実な歯並びの安定化を目指し、就寝中は常にリテーナーを装着するという考え方が広まっています。 - 装着方法:
- 歯を磨く: リテーナーを装着する前に、必ず歯を丁寧に磨き、口の中を清潔にしておきましょう。
- 装着: リテーナーをケースから取り出し、歯にしっかりとはめ込みます。
- 取り外し: 奥歯の部分からゆっくりと外します。
固定式
- 装着時間: 固定式のリテーナーは、一度装着すると、基本的に取り外すことはできません。
リテーナーのお手入れ方法
取り外し式リテーナーの場合
1. ブラッシング
- 毎日、柔らかい歯ブラシを使って、リテーナーについた食べカスや汚れを丁寧に洗い落としましょう。
- 歯磨き粉は傷をつける可能性があるため、使用を避け、中性洗剤や専用の洗浄剤を使用するのがおすすめです。
2. すすぎ
- ブラッシング後、流水でしっかりとすすぎます。
3. 消毒
- 週に1回程度、専用の洗浄剤に浸け置きして消毒しましょう。洗浄剤がない場合は、入れ歯洗浄剤でも代用できます。
4. 乾燥
- 清潔にしたリテーナーは、清潔な布の上で乾かしましょう。直射日光や高温の場所を避け、風通しの良い場所で乾かし、しっかり乾いてからケースに保管してください。
上記の基本的なお手入れに加え、ケースも定期的に洗浄しましょう。
ケースは、乾燥した清潔な場所で保管してください。
注意点
- 熱湯やアルコール消毒は厳禁: リテーナーが変形してしまう恐れがあります。
- 硬いブラシの使用は避ける: リテーナーに傷がつき、変形や破損の原因となります。
- 乾燥不十分はNG: 湿った状態で放置すると、カビが生える原因になります。
- 定期的な歯科医院でのチェック: 定期的に歯科医院を受診し、リテーナーの状態をチェックしてもらいましょう。
固定式リテーナーの場合
お手入れ
歯を磨く際に、リテーナーの部分も一緒に丁寧にブラッシングしましょう。歯並びの状態に合わせて歯間ブラシやワンタフトブラシなどを使うことをおすすめします。
取り外しができないため、歯磨きをしっかりできていないと虫歯や歯周病になりやすくなってしまいます。
定期的に歯科医院でリテーナーの状態と合わせて虫歯や歯周病になっていないかもみてもらいましょう。
6.矯正後の後戻りを予防するために
後戻りを防ぐためには、以下の点に注意することが大切です。
1. リテーナーの適切な使用
- 歯科医師の指示通りに装着する: 決められた時間、しっかりと装着しましょう。
- 定期的なチェック: リテーナーが合わなくなると、効果が薄れてしまいます。定期的に歯科医院でチェックしてもらいましょう。
- 清潔に保つ: リテーナーは毎日清掃し、清潔な状態を保ちましょう。
2. 生活習慣の見直し
- 舌癖の改善: 舌を歯に押しつける癖など、歯に悪影響を与える癖を改善しましょう。
- 口呼吸の改善: 口呼吸は歯並びに悪影響を与える可能性があります。鼻呼吸を心がけましょう。
- 歯ぎしり・食いしばりの防止: 歯ぎしりや食いしばりは歯に大きな負担をかけます。マウスピースなどを使用するなど、対策をしましょう。
3. 定期的な歯科検診
- 歯周病の予防: 歯周病は歯を支える組織を破壊し、後戻りの原因となることがあります。定期的な歯科検診で早期発見・治療を行いましょう。
- 歯並びの状態の確認: 歯科医師に歯並びの状態を診てもらい、必要に応じて調整してもらいましょう。
7.後戻りが起こってしまった場合
後戻りが起こってしまった場合は、再度矯正治療が必要になる可能性があります。しかし、早期に発見すれば、部分矯正などの比較的短い期間で治療できる場合もあります。
8.まとめ
矯正治療で得た美しい歯並びを長く保つためには、リテーナーの正しい使用や生活習慣の見直しなど、患者さんご自身の努力が不可欠です。この記事では、後戻りの原因から具体的な対策までを解説しました。歯科医師と協力し、美しい歯並びを長く保っていきましょう。
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さくら会ではなるべく患者様をお待たせしないよう、ご予約優先制となっております。 ※ネット予約は初診の方限定です。
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初診の方は問診票記入の為にご予約時間より10~15分程度早くご来院をお願いしております。 また、保険証・医療券・お薬手帳などをお持ちいただき、受付にてご提示ください。
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最初は現在お口の気になる症状などを担当スタッフがお聞きいたします。お悩みやご相談がある方はお気軽にご相談ください。伺ったお話をもとに治療計画を作成いたします。わからないことがある方は、ご質問もしていただけます。
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