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歯周病は口だけの問題じゃない?!歯周病と全身疾患の関係

歯周病と全身疾患の関係
 

歯周病は歯肉炎や歯周炎として知られる口腔内の炎症性疾患です。しかし、お口の中の問題だけとして捉えるのは危険です。近年の研究により、歯周病の細菌や炎症が血流を通じて全身に広がり、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があるといわれ、歯周病が全身疾患と密接に関連していることが明らかになっています。この記事では、歯周病と全身疾患との関係、そしてその影響について詳しく解説します。

目次

1.歯周病について 2.歯周病と全身疾患の関係 3.歯周病の予防が病気の予防にもつながる

1. 歯周病について

 歯周病について

歯周病(ししゅうびょう)は、歯と歯茎の周囲の組織が細菌感染によって炎症を起こす疾患の総称です。早期の段階で適切なケアを行わないと、進行して深刻な問題を引き起こすことがあります。

2. 歯周病と全身疾患の関係

心血管疾患

歯周病の細菌は血流に入り込み、動脈硬化を引き起こすことがあります。これは、動脈の壁にプラーク(脂肪の塊)が形成され、血流が阻害される状態です。結果として、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まります。

呼吸器疾患

歯周病の細菌が気道を通って肺に入ると、肺炎や慢性閉塞性肺疾患(COPD)のリスクが高まります。歯茎が健康な人や歯周病が軽度の人に比べ、歯周病が重度な人はCOPDを5年以内に発症する割合が3.5倍も高く、COPD患者の約4人に1人は中等度以上の歯周病が原因である可能性が示されました。

関節炎

歯周病による慢性炎症は関節リウマチの悪化に影響することがあるといわれています。これは、歯周病の細菌が関節に侵入し、炎症を引き起こす可能性があると言われているからです。また、あごの関節(顎関節)にもリウマチが発生し、口を開けるときの痛みや開口障害を起こすこともあります。

アルツハイマー病

最近の研究では、歯周病菌が脳に達し、アルツハイマー病の進行に関与する可能性があることが示唆されています。歯周病の細菌が脳内で炎症を引き起こし、神経細胞の破壊を促進することがあるからです。

敗血症

歯周病と敗血症の関連は近年注目されています。歯周病が進行すると、口腔内の細菌が血流に入り込み、全身に感染を引き起こす可能性があり、この状態を敗血症と呼びます。敗血症は非常に重篤な状態であり、早期の治療が必要です。

糖尿病

糖尿病患者は歯周病にかかりやすく、逆に歯周病が糖尿病の血糖コントロールを悪化させることが分かっています。炎症がインスリン抵抗性を増加させるため、歯周病と糖尿病は相互に悪影響を及ぼし合ってしまいます。

妊婦への影響

妊娠中の女性が歯周病を患っている場合、早産や低体重児出産のリスクが高まることが報告されています。これは、歯周病による炎症がプロスタグランジンという物質を増加させるためです。妊娠中は特に口腔ケアが重要です。

歯周病の予防が病気の予防にもつながる

歯周病の予防が病気の予防にもつながる

歯周病と全身疾患には密接な関係があることが分かっています。歯周病が悪化すると病気も悪化するということは、言い換えると歯周病を予防することができれば他の疾患にかかるリスクや進行速度を遅くすることができるということです。
歯周病の予防には、定期的な歯科検診と適切な口腔ケアが欠かせません。正しい歯磨き、フロスの使用、健康的な食生活が基本です。また、歯周病の兆候(歯茎の出血や腫れ、口臭など)が見られた場合は、早めに歯医者を受診することが大切です。
歯周病は全身の健康に直結する重大な疾患です。正しい知識とケアで歯周病を予防して、お口と全身の健康を維持しましょう。

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