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口腔ケアで脳を守ろう!
歯周病と認知症の深い繋がり

はじめに

歯周病と認知症

これまで歯周病は、歯や口腔内の健康問題と思われてきましたが、実は全身の健康にも大きな影響を与えることがわかってきました。 最近の研究によると、歯周病が認知症、特にアルツハイマー病のリスクを高める可能性があることが指摘され、健康な口腔環境が脳の健康にも寄与するため、適切な口腔ケアの重要性が再確認されています。

目次

1.歯周病とは 2.認知症とは 3.認知症の主なタイプ 4.歯周病が認知症に与える影響 5.なぜ歯周病が認知症に関係するのか? 6.歯周病予防が認知症予防につながる 7.歯周病と認知症の予防 8.まとめ

歯周病について

 歯周病について

歯周病は、歯を支えている歯肉や骨が、細菌の感染によって炎症を起こし、破壊されてしまう病気です。
むし歯と違い、歯そのものが溶けるのではなく、歯を支えている部分が溶けていくため、最終的には歯が抜け落ちてしまうこともあります。
歯周病は自覚症状が出にくいことが特徴で、全身の健康にも様々な悪影響を及ぼすことが知られています。

認知症とは

認知症は、脳の機能障害が原因で起こる症状群で、高齢になるほど症状が出やすく65歳以上の方の割合が非常に多いと言われております。
男性よりも女性に多い傾向があり、記憶力の低下、思考力の衰え、判断力の低下、日常生活の自立性の損失などを特徴とします。
認知症の原因には遺伝によるものや生活習慣(喫煙、食事、運動など)、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの基礎疾患が挙げられ、その原因と症状によって分類されます。

認知症の主なタイプ

認知症の主なタイプ

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、認知症の中でも最も一般的なタイプです。 脳内でアミロイドβというタンパク質が異常な形で蓄積し、神経細胞が死滅していくことで、様々な症状を引き起こします。
アルツハイマー型認知症の初期には、記憶力の低下が顕著に見られます。特に、最近起きた出来事を覚えにくくなることが特徴です。
また、時間や場所、自分が誰であるかといったことがわからなくなる見当識障害もみられます。 さらに、計画を立てたり、複雑な作業を行ったりすることが難しくなる遂行機能障害や、性格の変化も現れることがあります。以前は穏やかだった人が、落ち着きがなくなり、いら立ちやすくなるケースも少なくありません。
病気が進行するにつれて、症状はより複雑化します。言語障害により、言葉が途切れたり、同じことを繰り返したりすることが多くなります。
また、見当識障害はさらに進み、自分の家や家族がわからなくなったり、幻覚や妄想が見られるようになることもあります。最終的には、日常生活の動作が困難になり、介護が必要となる場合も少なくありません。

血管性認知症

血管性認知症は、脳の血管が詰まったり破れたりする脳血管障害によって起こる認知症です。
脳の血流が滞ることで、脳細胞が酸素や栄養不足になり、その機能が損なわれてしまうことが原因です。 アルツハイマー型認知症と異なり、症状の波が激しかったり、特定の機能だけ損なわれる「まだら認知症」と呼ばれる状態になったりする特徴があります。

血管性認知症の特徴的な症状

  • まだら認知症
    あることはできるのに、別のことが全くできない状態を指します。例えば、「計算能力が低下しているのに、言語能力は保たれている」といったように、特定の能力だけが損なわれることがあります。
  • 症状の波
    症状の程度が日によって大きく変動することがあります。ある日は症状が軽くて日常生活に支障がないのに、別の日は症状が悪化して日常生活に困ってしまうといったように、症状の波が激しいことがあります。

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症や血管性認知症と並んで、三大認知症の一つに数えられています。 脳内にレビー小体と呼ばれるタンパク質が異常な形で蓄積することで、神経細胞がダメージを受け、様々な症状を引き起こす病気です。

レビー小体型認知症は、幻視やパーキンソン症状を伴うことが特徴の認知症です。他の認知症と比べて、症状の波が激しく、治療も複雑です。早期に診断し、適切な治療を受けることが大切です。

前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症は、脳の前頭葉と側頭葉の神経細胞が徐々に死んでいき、その機能が失われていく病気です。
これにより、性格や行動、言語などに変化が現れます。アルツハイマー病や血管性認知症と並んで、三大認知症の一つに数えられています。

歯周病が認知症に与える影響

脳への炎症物質の増加

歯周病は、歯周組織に慢性的な炎症を引き起こします。歯周病菌は、歯周病を引き起こすだけでなく、体内に炎症物質を放出します。
この炎症物質が血管を介して脳に到達すると、脳の炎症を促し、アルツハイマー病などの認知症の発症や進行を加速させる可能性があります。

アミロイドβの蓄積

アルツハイマー病の原因の一つとされるアミロイドβというタンパク質が、歯周病菌の影響で脳内に蓄積しやすくなることが研究で示されています。
歯周病菌が、アミロイドβの生成を促進したり、脳への移動を助けたりする可能性が考えられています。

脳血管障害のリスク増加

歯周病は、動脈硬化を促進し、脳梗塞などの脳血管障害のリスクを高めます。脳血管障害は、血管性認知症の原因の一つです。

なぜ歯周病が認知症に関係するのか?

歯周病が認知症に関係するメカニズムとして、以下の点が考えられます。

  • 血流
    口腔内の細菌は、血管を通じて全身に運ばれ、脳にまで到達することが可能です。歯周病菌が血液中に侵入し、脳に炎症を起こしたり、神経細胞を損傷させたりする可能性があります。
  • 神経
    三叉神経という顔面の感覚を司る神経は、脳と密接な関係があります。歯周病によってこの神経が刺激されると、脳に悪影響を及ぼす可能性があります。

歯周病予防が認知症予防につながる

歯周病を予防し、口腔内の健康を保つことは、認知症予防の一つの手段として注目されています。

毎日の歯磨き

歯磨きをする女性

歯磨きは、歯周病予防の基本です。正しい方法で歯磨きをすることで、歯周病だけでなく、認知症も予防することができます。歯科医師や歯科衛生士に相談し、自分に合った歯ブラシや歯磨き粉を選び、正しい歯磨き方法を身につけることが大切です。
また、歯間ブラシやデンタルフロス、舌ブラシなどの補助的清掃用具を正しく使用することで、歯磨きだけでは落としきれない汚れを効果的に除去し、歯周病を予防することができます。

食生活や嗜好品の改善

食生活

糖分を控えたり、バランスの取れた食事を心がけたり、飲酒を控えるなど食生活を見直すことも大切です。
喫煙も、歯周病を悪化させる原因の一つなので禁煙や本数を減らすことも予防に繋がります。

定期的な歯科検診

歯科検診

歯周病は初期段階では自覚症状がほとんどないことが多く、気づいた時には進行しているケースも少なくありません。
定期的な歯科検診を受けることで、歯周病だけでなく、虫歯や口内炎などの口腔内の問題を早期に発見することができ、定期的なクリーニングにより、歯周病や虫歯などの疾病を予防することが可能です。
また、歯科医師や歯科衛生士から、歯磨き方法や食生活など、口腔内の健康維持に関するアドバイスを受けることで毎日の歯ができます。

歯周病は、ただ単に歯が痛むだけでなく、全身の健康に大きな影響を与える可能性があることがわかりました。歯周病を予防することは、歯の健康だけでなく、心身の健康を維持するためにも非常に重要です。

歯周病と認知症の予防

口腔ケア

  • 丁寧な歯磨き
    歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスも使い、歯と歯の間や歯周ポケットに付着した歯垢を徹底的に取り除きましょう。
  • 定期的な歯科検診
    歯科医による定期的なクリーニングを受けることで、歯石を取り除き、歯周病の早期発見・治療につなげることができます。

ライフスタイルの見直し

  • 禁煙
    喫煙は、歯周病のリスクを高めるだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼします。
  • バランスの取れた食事
    ビタミンやミネラルをバランスよく摂ることで、歯周組織を強くし、歯周病を予防することができます。
  • 適度な運動
    運動は、全身の血行を促進し、免疫力を高める効果が期待できます。
  • ストレス管理
    ストレスは、免疫力を低下させ、歯周病を悪化させる可能性があります。
  • 十分な睡眠
    睡眠不足は、免疫機能の低下や炎症反応の亢進を引き起こす可能性があります。

その他

  • 生活習慣病の予防と管理
    高血圧、糖尿病、高コレステロール血症などは、歯周病だけでなく、認知症のリスクも高めることが知られています。
  • 頭へのけがを防ぐ
    頭を打つようなけがは、脳にダメージを与える可能性があります。
  • 脳を活発に使う
    読書、学習、新しいことを始める、人と話すなど、脳を使う活動が大切です。
  • 定期的な健康診断
    早期発見につながります。

認知症は、早期に発見し、適切な治療を受けることが大切です。

歯周病と認知症の予防

歯周病と認知症の関係は、まだ解明されていない部分も多く残されていますが、歯周病が認知症のリスクを高める可能性は非常に高いと考えられています。
定期的な歯科検診と適切な口腔ケアにより、脳の健康を守ることに繋がります。脳の健康を守るためにも、今日から口腔ケアを見直しましょう。

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